具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ を読んだ感想
はじめに
具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ を読んだ。
きっかけは、Xで回ってきた 具体と抽象を行き来するということ という記事を昨年末読み、自分の中で具体と抽象の反復に苦手意識があるなと感じたためである。
感想
以下、個人の感想。
- 具体と抽象、どちらの理解も不可欠
- 自分の立ち位置を客観的に見ることができるのは重要。そして目線を合わせる努力を怠らないこと
- 上流工程は人を絞って進めるべきという意見には、一理あるが注意が必要
まずは、具体と抽象という二つの概念がどういう関係性なのかを理解することが大事である。 また、議論というトピックにおいて、自分が具体に飛びつきがちな傾向にあるのか、議題の背景から上位概念を理解することから開始する傾向にあるのかを理解する必要がある。
どちらかに特化した傾向がある場合は、議論が噛み合わないといった経験があるのではないか? (自分はある) その場合、以下のアクションをとってみるのがよさそう。
- 具体に特化している場合: 一歩立ち止まって物の本質(複数の具体に共通する概念)を捉える練習をする
- 抽象に特化している場合: 具体しか見えていない人と話す際に、「視点が合っていない」と主張するのではなく、視点を自ら下位レイヤーに提供してあげることが大事(気づいていないだけの可能性もある)
アクションを試しつつ、議論の際に自分が具体・抽象どちらの目線で話すべきかを要所で判断し、適切に切り替えると、スムーズに議論を進めることができそう。 これが具体と抽象の反復である。 実際に客観的に自分の立ち位置を把握して議論を進めると、潤滑に進んだ経験をした人も少なくないのではないか。
改めて、話す目線を具体・抽象の観点で合わせる努力を怠らないことを意識する。
上流工程こそ人を絞って進めるのがよいという話も挙げられていた。というのも、複数の具体の観点を持つメンバーをより集めて大局の方針を決めるのは難しいから。
自分としては、理解はできるが、やり方を間違えないように引き続き気をつけようと思った。 具体的には、上流と下流で現場感の認識に差異が生じている場合である。
上流としては、下流のメンバー抜きで方針を決めたが、下流のメンバーとしては現場の状況が苦しくなる一方ということになりかねないからである。
それを避けるために、現場のメンバーの話を吸い上げて上の意見に活かせるようにという意識は忘れずにやっていきたい。
まとめ
ページ数も130ページほどで、説明も図を挟みつつわかりやすいため、普段本読むのが苦手という方でもすんなり読めるのではないかと思う。 具体と抽象の反復に苦手意識がある人もない人も、ぜひ読んでみてほしい。